
このブログのタイトルにもつけた「白雨」について、オリジナル曲を作りました。
せっかくなので打ち込み音源の段階ですが公開したいと思います。
僕が講師として勤めている音楽教室では、クラシックギター中心のアンサンブル(合奏)を組んでいます。
ただ、クラシックギターの重奏・合奏譜ってあまり数がないことと、難易度の差が結構あること、またアコギの生徒さんも参加してほしかったことなどから、そのアンサンブル向けに毎年曲を書くようになりました。
せっかく書くなら、ということで自分の中でいくつかオリジナルルールを設けて作曲してます。
演奏可能であること
生演奏を前提にした、ということは作曲では意外と大事です。
昨今では(というには遅いか。笑)DTMを中心として、「人が演奏しない」音楽も増えてきています。
それに対して、生演奏、かつ生徒さんが演奏する、ということで、技術的な面でかなりの制約があります。
具体的に気をつけている点としては、
- メロディーに16分音符をなるべく使わない(BPM110を超えるもの)
- 装飾音符も同様
- メロディーラインのオクターブを超える跳躍もなるべく使わない
- キーはギターで弾きやすいものから選定する(伴奏でカポなしオープンコードを使用できるキー、C、D、E、A、Gとその平行調が中心)
- コードはなるべく循環コードを使用し覚えやすくする
- アルペジオはピック弾きでも演奏可能なかたちにする
- ハイポジションを多用しない(17フレット以降は無い生徒さんもいる)
とかでしょうか。
書き出してみるとなかなか大変ですね笑
ちなみに、最近はカホンも含めることになり、今回の音源でもカホン想定でパーカッションの打ち込みを入れています。
カホンもあくまで「難しすぎず、かつ楽しめるような」感じを狙ってます。
特色ある民族音楽の形式を模倣すること
さて、上記に上げた制約だけでの作曲をすると、どうしても似通った形になってしまったりしがちだな、と個人的に感じました。
作曲力が足りないだけ、といえばそうなのですが。
それ以上に、せっかくオリジナルを書くからプラスアルファで何かを学んだりしたい、という思いがあり、個人的に興味のあった「民族音楽」を掘り下げることにしました。
ここでいう民族音楽はかなり広義で、単純に「民族性を感じられる音楽」とご理解ください。
今まで作曲したもののテーマを挙げると
- ケルト風(ただしコードはスペイン風)
- ロシア(民謡)風
- ラテン風(ラテンリズムを用いたポップス)
といった感じです。毎回ガラッと作風が変わるので、結構面白いと好評です。
今回の「白雨」はガッツリ和風ですね。
日本固有の音階を使った作曲は一度やってみたいと思っていたので、チャレンジでした。
その年のメンバーのレベル・編成に合っていること
これがオリジナルを作る一番の目的、というかメリットではないでしょうか。
生徒さんなので、メンバーは微妙に入れ替わりがあります。
また、子供の生徒さんだと一年で結構成長する人もいます。メンバーの中にはコンクール優勝者から主婦まで様々なレベルがあります。
この人達を一つのアンサンブルとしてまとめていこうと思うと、パートや音を細分化して難易度調整をしたりする必要があります。
それ以外には、弾くのはかんたんにして音楽的な表現での深みを狙ったり、とか。
この点はルールといいつつ言語化するのがとてもむずかしいのですが、それが逆にオリジナリティになっている部分だと思います。
それもあって、いつもその年の発表会が終わってからじゃあ次の年はどんな風にしようか、と構想を練り始めます。
今年は構想に時間が掛かりすぎたので、着手は今後もう少し早めたほうがいいかもしれませんが…笑
まとめ
作曲と言ってもいろいろな関わり方があると思いますが、僕の場合はいろんな方に弾いてもらえることが前提のため、かなり特殊な例ではないかな、と思います。
いずれ具体的な作曲法や、音楽理論についても記事を書いていこうと思いますので、ぜひご希望あればコメント等お寄せいただけますと幸いです。